黄色いチョッキ運動

久々に、時事ネタでブログ。

















「『黄色いチョッキ』なんて、可愛いネーミングだねぇ」



なんて、ダンナと話してたのが、先月の中頃。



10年前ぐらいには、「赤帽デモ- Mouvement de bonnet rouge」なんてのもありました。



調べてみたら、「緑のスカーフデモ」とか、「青ズボンデモ」なんてのも、あるのかもしれません。

















もはや、可愛さのカケラもなく、めちゃくちゃ不穏な社会現象に成長してしまった、「Mouvement de Gilets jaunes - 黄色いチョッキ運動」。



Giletってのは、袖なしのジャケットの総称なんだけど、最近ではベストって呼び方が、スタンダードなのかしら?

















なんで、「黄色いチョッキ」という呼称になったのかと言うと、運動参加者の大半が、マイカー通勤者か石油燃料なしでは生活していけない人々だから。



フランスでは、全てのドライバーに、万が一の事の対応時に、蛍光色の黄色いベストの着用が義務付けられており、みんな車のどこかに、この黄色いベストを忍ばせています。私も助手席前の小物入れに、この黄色いベストを入れっぱなしにしていますが、幸いにも、まだ使ったことはまだありません。

















政府が来年1月から施行予定だった石油燃料増税への反発で始まったこの、黄色いチョッキ運動。



日本のように、通勤ラッシュの時間帯の首都部の公共交通網が、分刻みでもKm刻みでも整備されていないフランスでは、マイカー通勤者が大半。



3年前のル・モンドの記事では、国民の7割強がマイカー通勤、とありました。

















「これ以上、軽油・ガソリン代があがったら、まじ、日々の通勤のガソリン代で、給料消えちまうじゃねぇかよ!」



と危機感を覚えた市民が、SNSで呼びかけて、燃料増税反対のデモを始めたってわけ。

















そうでなくとも、今年に入って既に、軽油(ディーゼル)が7サンチーム(約10円)/ℓぐらい、ガソリン代で4サンチーム弱(約5円)/ℓの値上げが実施されていたから、いくら石油産出国の売り渋りによる原油価格の高騰と地球温暖化対策という公明正大な理由があったからとは言え、国民の7割強である通勤マイカー族は



「地球の未来より、明日の生活の心配が先だ!」



と、怒りが爆発しちゃった。

















単純計算してみましょう。



今現在のフランスのガソリン代が、1.5ユーロ(190円)/ℓぐらい。例えば実燃費14Km/ℓのマイカーで、往復20Kmのマイカー通勤をしてるとして、毎日約2ユーロ15(約275円)ぐらいのガソリン代に消えるところ、増税後は2ユーロ19(約280円)/日に…



これって… ちりつもなんでしょうか??

















そんなに負担、大きいのかしらん???



確かに、ディーゼル車の軽油の増税幅は、ガソリンよりだいぶ大きいけどさ。



きっと、原産国の原油価格の上昇率のが高いと思うのよ。



それに、ディーゼル車の排気による大気汚染も深刻だし…



なーんて、マクロン大統領一派も、思ってるんでしょうね。

















が、しかし。



自分の給料はずーっと横ばいなのに、燃料や不動産価格や物価指数だけはどんどん上がって行ったら、焦るわな。

















まずは、フランスの高~い税金から逃れるように他の国籍に変えて国外脱出しちゃったりする富豪や、これまた重~い法人税や社会保障費負担を軽減させるために、国外に本社や支社を移す傾向のあった企業を、国内に引き止める為の優遇政策、そして、耳障りの良い環境政策。これがフランス史上最年少大統領の、推し進めてきた二大政策。



月給2400ユーロ(約30万円)が一世帯の平均所得であるフランス国民の、大半とは言わずとも、少なくはない人々にとって、富裕者の税率を下げたり、企業の負担は軽減させたりする癖に、「みんなの地球を守るために、これぐらいの負担なら、構わないでしょ? 嫌なら、ディーゼル車は乗るのやめようね」と言わんばかりの、庶民の生活の根幹に関わる部分の増税。



爆発は、当然の流れだったのかも。

















日本でもニュースになっていると思いますが、きっと、このデモに乗じて暴発している放火や繁華街の高級ブティックへの投石等の乱痴気騒ぎばっかり取り上げられてるんじゃないかしら…



その方がビジュアル的につかみがありますからね。



だけど、それは、純粋に増税反対を訴えているデモ参加者とは別の、一部のCasseursと呼ばれる壊し屋たちの仕業。



デモがあると便乗して、そういう破壊行為をするので、危なっかしいったらありません。

















高級ブティックが軒を連ねるパリのシャンゼリゼ等では、このCasseurs達の暴動から店と顧客を守るために、臨時ガードマンを店の前に立たせたり、ここ2,3週末の営業を停止したりと、このクリスマス商戦の最中に偉い出費だし、酷い損失。



表現の自由を駆使して、国家権力に立ち向かうフランスの市民。



でも、暴力や破壊行為は、表現の自由には該当しないはず。



インパクトがあれば、OK、なんてわけない。

















「どうせ真面目に勉強しても(仕事しても)報われるわけでもねーし」



って、社会の落伍者の烙印を押され、自暴自棄になった輩が、反体制的な暴挙に出るという意味では、Casseurs壊し屋もテロリストも、同じ構図。



ストラスのクリスマスマーケット無差別テロの犯人も、たぶん、こういう系…



自分の未来への希望が持てない若者。



だけど、子供たちに、希望に満ち溢れる未来を、私たちは用意できているのかなぁ。















一昨日の夜のゴールデンタイム、マクロン大統領は急遽テレビ演説をし、燃料税増税の据置に加え、最低賃金を月100€押し上げること、この暮れの年次ボーナスを非課税にすること等を約束。



だから、黄色いチョッキ運動、もうやめてねって言いたかったんだろう、弱冠41歳の大統領の顔は、疲労困憊している様相で、なんだか気の毒になりました。



ただし、黄色いチョッキ運動に参加者の大半は、最低賃金より、ちょっとだけお給料が良い、今回の大統領の100ユーロの恩恵には授かれない、やや低めの中流階級の庶民だと思うけど~。















まぁ、クリスマスまであと2週間を切ったことだし、多分、黄色いチョッキ運動、年内はこのままフェイドアウトしていくのでしょう。



来年明け、1月中旬の週末あたりから、再開しそうな予感90%で…。

















斜陽のフランスの救世主、と誰もが期待していたマクロンに、失望気味のフランス。



だからって、左右にmaxにぶれることもなさそう。



どっちに行ったらいいかわからない、迷子の迷子の混沌時代の幕開けってことなんでしょうか…





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