いじめのこと、とか、の続き

フランスに、

「Petite Emilie かわいいエミリー」

という、歌があります。











Keen’vという、まぁ、派手さはないけれど、そこそこ人気がある男性シンガーソングライターの書き下ろし。

(ちょっと、ジャスティン・ティンバーレイクに似てる外見。歌がうまいところも、似てるかも。)











いじめを苦に自殺してしまう少女エミリーの、短い人生を歌ったこの曲は、2012年に発売されたアルバム収録曲の1つに過ぎなかったのが、その後じわじわと反響を呼び、メディアでも大きく取り上げられるようになり、翌年にはプロモーションビデオが作られ公開されました。













今でも、ちょうどにーぐらいの年代の子たちの間でよく聴かれる1曲のようです。













「泣きそうになった」

と、私に初めて聴かせてくれたのも、にーでした。



視聴はこちらから。











少し長いですが、以下、歌詞です。







Petite Émilie, 6 ans et demi

エミリーは6歳半



Est l'unique fille d'une famille reconstruite,

(母親側の)再婚家庭の一人っ子



Une mère pour qui elle est toute sa vie,

お母さんにとってエミリーがすべて。



Et un beau père qui l'aime comme si elle était de lui.

義理のお父さんは、まるで実のお父さんのようにエミリーを愛してくれている。



Si gentille, si belle, des yeux qu'ensorcellent

とても優しくて、とても美しく、魔法のような瞳のエミリー



Pour ceux d'sa mère elle en était la prunelle.

おかあさんのそれのように、魅力的だった。



Elle ne pouvait pas vivre l'une sans elle

おかあさんなしでは、片時もいられなかった



Leur relation était devenue plus que fusionnelle .

まるで二人で一人のような関係だった







Petite Émilie, à 8 ans passé,

エミリーは8歳



Rien n'a changé sauf qu'elle a déménagé,

何も変わっていないけれど、引っ越しをした



Fini la campagne isolée,

人里離れた田舎暮らしはおしまい



Elle vit maintenant en ville car sa maman fut mutée.

エミリーは今都会暮らし。おかあさんの仕事が変わったから。



Une nouvelle école, de nouveaux amis,

新しい学校、新しい友達、



Elle ne mît pas longtemps à s'adapter à cette vie.

新しい生活に慣れるのに時間はかからなかった。



Du haut de ses 8 ans on peut dire qu'elle est ravie,

総じて、彼女の8年は、幸せだったと言えるかも



Car tout va pour le mieux pour petite Émilie.

だって、すべてのことは、エミリーに良いようにと、進んでいたから。







Petite Émilie, à 10 ans était

Devenue une petite fille comblée.

エミリーは10歳、少しぽっちゃり目のかわいい女の子になった。



On peut dire que l'école lui plaisait,

彼女は学校生活を楽しんでいるようだった



Bonne élève pour maman elle en était une fierté.

学校でも良い子で、エミリーはおかあさんの自慢の娘だった。



Un peu rondelette, de bonne petites joues,

ちょっぴり太めで、ほっぺもぷくっとしていたから



Elle essuie les critique de quelques jaloux,

やきもちからのいじわるな言葉もときどき受けた



Devant les profs il l'appelaient "Bouffe-Tout",

先生の前で、「なんでも食べちゃう食いしん坊」呼ばわりされたりもした



Mais ce ne sont que des enfants après-tout.

でも、そんなのはまだ、子供のささいないじわるだった。









Petite Émilie, a 12 ans maintenant,

エミリーは今、12歳



Adolescente renfermée au grand damne de maman,

思春期の、自分の殻に閉じこもった少女は、おかあさんの悩みの種になった



Fini le jolie visage souriant,

笑顔が可愛い時期は終わった



C'est une petite fille maussade qu'elle est devenue à présent.

不機嫌な少女になってしまった。



Faut dire qu'au collège tout avait changé,

中学校が全てを変えたと言ってもいい



Trop d'élèves ne faisaient que de se moquer,

大勢の生徒が彼女を侮辱してやまなかった



Partout elle se sentait rejetée,

いつも、疎外感を感じ、



Tantôt frappée, tantôt injuriée.

叩かれたり、蔑められたり。



Elle se demandait comment faire face,

エミリーはどうやってそれに立ち向かったら良いのかわからなかった



Elle était devenue le souffre douleur de la classe,

彼女はクラスでいじめのターゲットになった



Sur les réseaux sociaux il l'appelaient "la dégueulasse",

SNSでは「気色の悪いブス」と呼ばれた



Des photos d'elle tournait montrant son ventre qui dépasse.

張り出したお腹を見せて振り返るエミリーの写真が出回った。



Ne sachant pas comment faire,

どうしたらいいのかわからず



Ni comment réagir à cet enfer,

この地獄でどう振舞ったらたらいいかもわからず



Par honte et ne voulant pas affoler sa mère,

恥ずかしくておかあさんにも相談できず



Petite Émilie décida de se taire...

エミリーは口を閉ざすことにした…







Mais un soir de Décembre,

だけど、12月のある夕方



Petite Émilie rentra chez elle dénudée,

エミリーは裸で帰宅した



Ses camarades tous ensemble

クラスメイトがみんなして



L'avaient enfermée dans les vestiaires pour la doucher.

シャワーを浴びるエミリーを更衣室に閉じ込めた。



S'en était trop pour elle,

もう限界だった



Trop qu'elle ne puisse encore supporter,

もう耐えられなかった



Alors elle étendit ses ailes,

そうして彼女は翼を広げ



Et pris son envole vers la paix...

安寧の空へ飛び立った…














「最後の小節以外は、ノンフィクションです」

と作詞したKeen’v。











フランスでは、いじめを、『Harassement scolaire 学校ハラスメント』と呼びます。













モラハラ、パワハラ、セクハラ、そして、いじめ:学校ハラスメント。













共通するのは、

自分より弱い者を虐めることで優越感や快感を得る人間がいて、

かたや、

虐められて何も言えなくて、つらくて、

それが一生続きそうな気がして、

絶望しそうになる、

もしくは絶望してしまう人間がいるという構図。













そして、とばっちりを食らったり、

自分が新しいターゲットになることのないように、

なるべく、それに関わらないようにするか、

虐める側に加担してしまう外野。













こんなに個人主義で、個性が重んじられるはずの国にも、ハラスメントがあるなんて。













そこまで陰湿ではなかったものの、

思春期にいじめにあった辛い時期がある身としては、

自分の子には、そんな経験をしてほしくない、と切実に思い、

まさかこの国に、いじめなんてあるわけないだろうと安心していたのに、

そんなことはないのだと、知ってしまって、ちょっとショックでした。













ダンナ曰く、90年代のフランスの学童の自殺数は、

日本よりも高かったんだとか。













調べてみると、こんなグラフが出てきました。



WHOが、2009年から13年にかけて調べた、先進国の15~19歳の若者の自殺率のグラフ。

上位20カ国だけなので、フランスは圏外です。

ニュージーランドがダントツトップ。

あんな、温和なイメージで平和そうな国の若者の、10万人に15、6人が、

自から命を絶っているという事実。











日本や韓国、中国、シンガポールが上位を独占していたのであれば、

受験戦争のストレスということを主要因に分析することもできたんだろうけど、

そういうことでもないよう。













まだ、学校社会しか知らないような若者が、

自ら短い人生を終える決断をするに至るまでには、

どんな感情の葛藤があったんだろう。













どこまで追い詰められていたんだろう。













もし、自分の子供が、

そんな風に苦しんでいる時、

自分はちゃんと、気がついて、

導いてやれるだろうか。













動物が、

弱い動物を捕食するのは、

生きるためであって、

優越感とか快感とか、

そんなくだらない感情のために

弱い者を虐めて死に追いやるなんて、

バカで残酷な動物は、

人間ぐらいなんじゃないだろうか。













と思いながら、

ハラスメントが、

他の動物の世界にも存在するのかは、まだ調べたことがありません。









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いじめのこと、とか

「米津玄師のLemonは、ドラマを観ながら聴くともっといい」





久方ぶりの日本での大晦日、紅白を一緒に観ていた時の妹のアドバイスにより、

遅まきながら、

「アンナチュラル」

を見始め、

見事なほどに、すっかり、はまってしまった私。











毎晩、子供たちが寝静まってから、

ダンナほっぽって観ていたら、

あっという間に最終話まで観終わっちゃいました。











「おぉっ、そうくるか!?」

と、足元をすくわれるような展開が、

二転三転、

それなのに、

毎エピソード、きちんと伏線を回収して完結し、

それでいて次回以降が気になる要素もちゃんと残されていて。

登場人物も、みーんな魅力的。

久しぶりに、本当に面白いと思うドラマに会えた気がする。











なんて、感想は、

昨年のオンエア時に、出尽くされていたのでしょうね。

時差ありすぎて、すみません











毎回、エンディングでLemonが流れてくると、涙腺がゆるくなり、

実際何度も泣いちゃった。











で、しょっちゅうYoutubeでLemonを聴いたり、

口ずさんだりしていたら、

にーもLemonが好きになり、

昨夜、聴きたいというので、

妹に言われたセリフを言って、

ひとつエピソードを選んで、見せました。











選んだエピソードは、

第7話、「殺人遊戯」











もともと、名探偵コナンや、

フランスの児童書でも「Le mystere de la chambre jaune 黄色い部屋の秘密」などの、

ミステリーや推理モノが大好きなにー

食い入るように、ドラマを見始めました。













長くなりましたが、ここからが、本題。

そして、ネタバレです。













まぁ、もう、みんな観てるだろうから、

隠す必要もないでしょう。













この、第7話は、高校生の男の子たちのいじめが、

テーマになっていて、

一緒にいじめられていた友達が、

耐えきれなくなって自殺してしまい、

その子の死を止められなかった男の子「Sくん」も、

友達を一人で死なせてしまったという自責の念と

いじめっ子たちへの復讐の思いから

最終的に自殺しようとする寸前に、

助けられる、

と、ざっくり説明するとそういう話なんですが…











そろそろ、エンディングかな、という頃に、

様子を見に戻ると、











まさに、Sくんが、自決する覚悟で、事情を独白しているシーンで、











画面を見ながら、

にーが、涙をぬぐってました。











泣いているにーを見て、

動揺して、母親の私まで、また泣きそうになってしまいました。













にーの涙が、



いじめられた子に、共感したのか、



いじめていた子たちに、腹が立ったのか、



それとも、ひょっとして、自分自身が気づかぬうちにいじめていたことがあって、

その後悔の気持ちから、



こぼれてきてしまったのか。











悔し泣きをすることは、最近でもたまぁ~にありますが、

それでも、もうすぐ13歳、背丈も170以上ある男児。



涙を見せることは、本当に少なくなって来たのに。











フランスって、個人主義の国だし、

「出る杭は打たれる」って、学校社会ではないだろうに、

学校内での、いじめや、それが原因によるとされる自殺、

結構あるようです。













と、このまま続けるとむちゃくちゃ長くなっちゃうので、

この先は、別の日記にします。





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ハビ、お疲れ様でした

もう10日も経っちゃったけど、

フィギュアスケートファンとして、書いておきたかったので。











去る1月の、最後の週末にかけて開催された、フィギュアスケート欧州選手権で、スペインが誇る男子シングル選手:ハビエル・フェルナンデスが、引退しました。











昨年の、ハビが銅メダルを獲得したピョンチャンオリンピック後に、既に引退はほのめかしていて、今シーズンは、グランプリ(以下GP)シリーズにも一切、出場せず、「この欧州選手権で引退する」と宣言して、臨んだ最後の大会。











太陽が大好きな明るいラテン気質のスペイン人であるハビ。

会場を沸かせるのが得意で、彼のプログラムには、自然と手拍子が湧き上がります。

中でも、スーパー『ハビ』マンのコスチュームでの、コント的なエキシビションでは、頭からバケツの水をかけられたりと、自分を落として観客を大いに笑わせてくれました。



https://www.olympicchannel.com/en/stories/news/detail/javier-fernandez-skating-retirement-european-minsk/







ハビエルの所属は、羽生くんも一緒に練習するカナダはブライアン・オーサー率いるクリケットクラブ。

クラブでもムードメーカーである一方、練習に遅刻が多かったりと、そのルーズなところもよく指摘されるところで、

「今日はユズルがいないので、僕も練習を休んで良いですか?」

と、オーサーコーチに申し出たとか出ないとか、なんて、逸話まであります。











私、個人的には、正直なところ、

「欧州選手権一本を目指すようじゃ、ハビは調整時間足りなくなって、結局、有終の美は飾れないんじゃないかな~」

と思っていました。

しかも、欧州選手権5年連続優勝していたハビには、6連覇なるか!?、というプレッシャーもあったのですから。











ところが、ところが。

蓋を開けてみれば、ショートでは、トリプルアクセルの失敗なども尾を引き、3位と出足は遅れたものの、

フリーでは挽回、見事優勝。

まぁ、昨シーズン後半の、最高の滑りではなかったものの、ほぼ予定調整通りの有終の美で、競技人生に幕を閉じました。











さすがです。

チャラ男でも、締めるところはちゃんと締めるというのが、にくいっ!













最期の演技に彼が選んだのは、

ショートが、一昨年までのプログラムの「マラゲーナ」、

フリーは、ピョンチャンでも滑った「ラ・マンチャの男」、

いずれも、スペインを代表する名曲。

最後の欧州選手権での、「ラ・マンチャの男」の演技











太陽の国スペインが生んだ氷の寵児は、

母国のプログラムで最期の錦を飾りました。











ハビに、パトちゃんに、アダム・リッポン、

真央ちゃんに、鈴木明子ちゃん、

好きな選手が、どんどん引退していってしまうのは、淋しいなぁ…













でも、みんなに、充実した第2の人生を、送ってほしい、

とも、心から思います。











この欧州選手権では、滑走後の教え子の傍らで、

コーチとして得点結果を待つ、

フランス:ブライアン・ジュベールと、

スイス:ステファン・ランビエール、

チェコ:トマシュ・ヴェルネの姿がありました。



















時代は流れているなぁ。



11年前、2008年の欧州選手権の表彰台の3人。











3人や、ハビの未来の教え子たちが、表彰台を独占する日が、いつか来たら、面白いな。

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にーとまーの5歳違いの日仏男児との日常を綴っています。

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